先日、帰化申請のお手伝いをしました。
出生証明書の取得などで非常に苦労されていましたが、何か月もかけて書類を整えることができました。帰化の手続きを終えられた皆様、本当にお疲れさまでした。

日本に帰化された皆様に、お願いしたいことがあります。それは、ご家族のために「公正証書遺言」を作成していただきたいということです。

相続手続きに必要なもの

日本国籍の方であれば、相続手続きを進める際に「出生から死亡までの連続した戸籍」を用意する必要があります。この戸籍をもとに、相続人が誰なのかを確定していくのです。しかし、帰化された方は帰化前の国籍における戸籍が日本には存在しません。そのため、帰化前の国から「出生証明書」や「親族であるということが分かる証明書」などを取り寄せる必要が出てきます。

ご自身の分であれば、「大使館や海外からなんとか取り寄せます」という方もいらっしゃいますが、ご自身が亡くなった後にご家族がこれらの書類を揃えられるでしょうか?

さらに、亡くなられた方のご子息が海外に住んでいる場合、いくら疎遠であっても、遺産分割協議に参加し、誰が財産を受け継ぐのか決める必要があります。ほとんどが見知らぬ同士の話し合いということになるのです。

公正証書遺言のメリット

そこで、公正証書遺言の出番です。
公正証書遺言があれば、相続手続きにおいて「出生から死亡までの連続した戸籍」を求められることはありません。亡くなられた方に関する戸籍は「死亡が記載された除籍のみ」で済み、相続人にかかる負担が大幅に軽減されます。

自筆証書遺言を検討している方へ

遺言には、自筆で書ける自筆証書遺言もありますが、法務局に預けていたとしても、ご自宅で保管されていたとしても遺言の内容を確認するためには亡くなられた方の「出生から死亡までの戸籍」は必要です。そのため、帰化された皆様には、この労力を避けるために公正証書遺言をお勧めいたします。

帰化された方への公正証書遺言のメリット

公正証書遺言の作成には、帰化された方にとって大きなメリットがあります。
まず、相続人に手続きの負担をかけないことです。相続手続きは遺された相続人がどうやって財産を分けたら良いのか困ってしまう場合が多く、さらに帰化前の本国から戸籍に代わる書類を取り寄せる作業は、非常に労力と時間がかかります。公正証書遺言があれば、こうした負担を軽減し、スムーズに相続を進めることが可能です。

また、公正証書遺言は公証人によって作成されるため、法的な不備がなく、遺言の内容が明確に記録されることにより遺言の内容が確実に実現されます。

まとめ

帰化された方にとって、公正証書遺言の作成は、遺されたご家族に苦労をかけないための大事な手段です。相続手続きの簡略化を実現するため、ぜひ公正証書遺言の作成をお願いいたします。日本に帰化された皆様、家族に安心を遺しましょう

行政書士イワクラ事務所では、日本に帰化された方のための公正証書遺言作成をお手伝いしております。お気軽にご依頼ください。お待ちしております。

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